日本では成人のおよそ80％が歯周病に感染していると言われています。体の免疫力が衰えてくる40代以降から歯周病のリスクが高まりますが、発症しても自覚症状はほとんどなく、自覚症状が現れた際にはかなり進行していることも少なくありません。しかし、きちんと治療すれば進行を食い止めることができます。

また、近年の研究で、歯周病が糖尿病や動脈硬化などの全身疾患と関連している可能性が示されています。中でも、糖尿病との関連性は強く、歯周病は糖尿病の合併症の一つであるだけでなく、糖尿病を悪化させる場合があります。さらに、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児出産および早産の危険度が高くなることが指摘されています。

歯周病の原因

歯の表面に絶えることなく形成される細菌性の白い膜をプラーク（歯垢）と呼びます。このプラークが歯周病の原因です。プラークを取り除かないと石灰化して、硬くなっていき、歯石が作られます。歯石にはプラークが付きやすく、新しく柔らかいプラークがざらざらした歯石の上に急速に形成され、これが炎症を引き起こし進行していきます。